FRPの加温による軟化(マテリアル・リサイクル)

FRPとは強化繊維(ガラス繊維など)と熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステルなど)とから構成された複合材です。(FRP船は概ねガラス繊維40%・樹脂60%の率です)

  • 熱硬化性樹脂は立体構造(ジャングルジム状)に架橋結合して硬化しています。このため、樹脂のガラス転移温度(汎用の不飽和ポリエステル樹脂は約80℃)から軟化が始まります。
  • 但し、ジャングルジム状に結合していますので、ゴム状の状態に軟化していると思われ、流動化はしません。
  • このジャングルジムを押し曲げてガラス転移温度以下(常温)にすると、押し曲げられた状態で硬化します。
    研磨ブロック
  • FRP船など殆ど一般の製品は不飽和ポリエステル樹脂が使われています、この樹脂は80℃程から軟化を始め300℃前後から熱分解が始まる様です。
  • 200℃近くになると厚さ16mm強化繊維18枚ほどを積層した、頑強なFRP片(船底部)がカッターナイフで容易に切断が出来、木ずちで打つと層間で剝離します、かなり軟化が進んでいます。    FRP研磨ブロック

このFRPの高温域での性状を利用してマテリアルのリサイクルが出来ないかを考えています。

熱硬化性樹脂のガラス転移温度

FRPを構成する熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル・エポキシ・フェノール樹脂等)には物性値(メーカーデータ)としてガラス転移温度(Tg:高分子鎖の熱運動による軟化を始める温度)が存在します。

Tgの存在から、架橋硬化した熱硬化性樹脂も種類によって程度の差はあれ、熱(温度)により軟化することになります。

この状態のFRPを・・・・・・再度加温すると軟化して、・・・・元の状態に復元します。
 ねじったFRP片 再加温 復元
  100℃でねじり冷却         再加温               復元

画像の様に、FRPは形状記憶の特性を持っています。

プレス成型イメージ図

形状記憶の特性を利用した成型です

FRPの非燃焼リサイクル方法_イメージ_2

FRP廃船リサイクルの成否は、長大で広域に分散されているため、地域毎に小規模・省エネで処理し、集収運搬のコストを如何に低減できるかにかかっていると思います。

  • プレス成型して、比重⒈3ほどのFRPブロックにするとハンドリング性が好くなり貯留や運搬に便利です。
  • 埋め立て処分場の逼迫から、廃FRPのリサイクルが求められています
  • 舟艇船舶に使用されているFRP基材は、FRP製品全体の3%程度です。
  • このプレス成型装置の用途規模(事業規模)は、廃FRP製品全体に利用でき、桁違いに大きくなります。
  • 廃FRPのマテリアル・リサイクルへの発展性もあります。

FRPは素晴らしい素材です

船に使われているFRPは、頑強で耐候性・耐腐食性・耐水性・安全性(上水道の屋上タンクに使用される)などを備えた素材です。何かに、再利用しないと勿体ないと思います。

  • 地球環境問題から、燃やす前にもう一度!
  • 形状記憶特性(可塑性?)を利用した・減容ブロック(比重調整して漁礁)やプレス成形してマテリアルリサイクルの可能性があります。
  • FRP廃船処理の合理化・海浜環境保全の解決には役に立てると確信しています。
                 
    小社なため経済的に実用装置の開発が出来ないでいます、協力頂ければ幸いです。

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有限会社矢上船舶機器サービス  代表 林田俊作

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